ふと考えてみると今年は(わたくしの)年賀状はおろか、年賀メールの返事すら一通も出していないことに気がつきました。
不義理をしております皆様、ごめんなさい。
深くお詫びします。
酔い潰れてたのです。
さて新年一発目は、じゃりん子だの焼肉のタレだのといわれる、チェ・ゲバラについて。
いうてもまだ勉強中なのですけどね、彼の一生を大雑把にまとめてみようと思います。
映画が公開される前に書いておかないといけないという自分ルールです。
ゲバラのことはまったく知らないけれども映画には興味がある、そんな方へ参考になればと思います。
しかし映画の予告とかスチールを見て思うのですが、主演のデルトロよりもチェ本人の方が男前ですよねえ。
研究者というわけではないので、間違ったことも書くかもしれませんがご容赦を。
チェ・ゲバラこと本名エルネスト・ラファエル・ゲバラ・デ・ラ・セルナはアルゼンチンの金持ちの家に生まれる。
小さな頃から喘息持ちだったものの、酸素吸引機片手にサッカーとかラグビーをするなど努力家というかわりと迷惑者というか、なんしか負けず嫌いだったのは間違いなさそうである。
勉強もできたゲバラは医学を専攻、見事医者としての資格ももつ。
そんな彼の転機は南米旅行。
アルゼンチンを出発し、南米大陸をボロバイクで北上する。
映画『モーターサイクル・ダイアリーズ』のモデルとなった旅行である(つかチェ自らが旅行記を発表してる。角川文庫で簡単に手に入る)。
ノリ的には学生の貧乏旅行のこの旅、ゲバラは医学の知識を活かして小遣いを稼いだり、人妻にちょっかい出して追いかけられたりしながら、南米の先住民・共産主義者・ハンセン病患者といった弱者の生活を目の当たりにし、改革の必要を感じる。
おそらくこの辺りは、今回の映画では語られないと思います。
帰国して2年後、2度目の南米旅行。
南米各国を旅しつつ、チェはグアテマラに到着。
当時のグアテマラはアメリカからの経済的独立や先住民の復権を進めており、チェもこの国が気に入っていたようである。
んでまたこの女好きは、ここで出会った女性の影響で社会主義に目覚め、彼女とも結婚。
したものの。
アメリカの援助を受けた勢力のせいで、グアテマラの政権は崩壊。
アメリカの傀儡政権が成立してしまう。
曲がったことが大嫌いなチェと妻はグアテマラを離れ、メキシコに向かうことになる。
そしてチェはメキシコで、キューバの独裁政権打倒を企てるフィデル・カストロと出会う。
元々は弁護士だったカストロは、これ以前に一度クーデターを起こし、失敗して捕らえられている。
そのときの裁判で名演説をうったカストロは国民的人気者となり、恩赦で出獄してからもメキシコでキューバ帰還のときを狙っていた。
じつはフィデルが共産主義に目覚めたのも、このときの獄中生活の最中だったらしい(弟のラウルはそれ以前から共産主義者だった)。
チェもフィデルも、元々はアカではなく反米の民族主義者だったのだろう。
祖国や先住民を支配するアメリカ(とその資本)、それに対抗するためにアカくなったんだと思う。
ともあれ運命的な出会いを果たしたゲバラとカストロ。
ともにキューバをアメリカの支配から解放する為にゲリラ戦の訓練を重ねる。
ゲバラがチェと呼ばれ始めたのもこのころ。
「チェ」というのは、「ねえ」とか「君きみ」のような呼びかけの言葉で、ゲバラがこれを連発していたのであだ名になった。
そして1956年。
フィデルに指揮された革命軍は、8人乗りの船に82人で乗り込み、ゲロまみれになりながらキューバに侵入。
そこを政府軍に待ち伏せされ、いきなり全滅に近い状況に。
どうにかこうにかシエラ・マエストラという山に逃げ込んだのはわずか12人。
「12人も生き残った! これで革命は成功だ!」
とぬかすカストロを見て、ゲバラは(こいつ大丈夫かいな)と思ったらしい(政府軍は2万)。
ゲリラというと野蛮で粗暴という印象だけど、チェの主張だとゲリラ兵こそが人間として見本にならないといけない。
ゲリラは最前線で銃をとり身を危険にさらす。民衆の中に紛れ込み戦う。
優れた人間がそうするからこそ民衆の支持を集められる、ということだ。
事実フィデルのゲリラたちは農村の人たちに字を教えたり、略奪する政府軍とは異なり、金を払って物を買ったりして、着実に支持を集めていった(もちろんフィデルの人気もあったのだろうけども)。
しかしながら、ゲリラの中にはイメージ通りの野蛮人も多いわけで、このあたりからすでに高い理想を持つチェは浮き始めていたのではなかろうか。
このあたりはチェの著作『ゲリラ戦争』(中公文庫)に詳しい。
・ゲリラに一番大切な装備は靴。
・敵である正規軍と同じ装備を使うこと(敵から弾薬を奪うため)。
などなどためになる記述満載です。
チェの頭の良さが非常によくわかる名作で、出版されるやいなやアメリカの対ゲリラ戦のテキストにも採用され、チェのクビを締める事につながった。
細かい戦闘は省くものの、捕虜はケガの治療をして解き放ったり、海外のジャーナリストに取材させたりして徐々に人気を得ていったゲリラ隊(裏切り者には容赦しなかったが)。
2年強の潜伏期間ののち、ゲリラ隊はキューバ各地に侵攻を開始。
チェの率いる部隊はサンタ・クララの戦いで政府軍に大勝、キューバ革命を成功に導く。
おそらく今回の映画『チェ 28歳の革命』はここらくらいまでを描くことになるんでしょう。
このキューバ革命についてはチェ・ゲバラ『革命戦争回顧録』(中公文庫)に実に詳しい。
長くなったので、以下別記事に。
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