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鈍行列車ダイアリーズ 8月14日

8月14日

なんか寝たような寝てないような感じのまま、朝4時起床。
入浴後、5時半出発。
長崎駅前の吉野家で朝食。
そのまま鳥栖行きの始発に乗る。
鳥栖まで3時間爆睡。
鳥栖で乗り換えて熊本へ。
鳥栖駅に熊本県立美術館のポスターが貼ってあった。
シャガールの特別展をやってるらしい。
観る事に決定。
それから脳内でジッタリンジンの『プレゼント』が鳴り出して止まらなくなる。
11時前に熊本着。

熊本の中心街は熊本城周辺。
そのまま路面電車(一律150円)に乗り換え、15分弱の移動。
繁華街でニンニクの効いた熊本ラーメン食ってから熊本城へ。

遠目から見ると天守閣は小さく見えて、案外しょぼそうに思えた。
が、これが大間違い。
これは難攻不落。
石垣がすごい。
有名ですけども、ほんとに上のほうは垂直です。
加藤清正時代の石垣と、後の細川家が改修した石垣が重なってるところがあり(下部の傾斜、石の使い方が違う)、興味深い。

最近復元された本丸御殿は圧巻。
わたしたちのように少しばかり文化財保護に関わった人間の方が凄さがわかると思う。
よくここまで復元した。
そして何より、よくぞここまで開放しています。
すばらしい施設でした。

その後、美術館でシャガール展。
シャガールがユダヤ人だったことを初めて知る。
イェルサレムを訪問し、自分のルーツを知ったことが彼の人生・作風に影響を与えたらしい。
どうなんだろうか。
そのシャガールのエピソードは事実なのだろうけど、例えば“民族の記憶が遺伝子として個人に伝わっている”なんて話は信じようにも信じられないわたしには、(宗教ってなんだろう)という恐怖にも近い感情しかもてない。
ロシア生まれのシャガールにとって、イェルサレムは原風景ではないはずだから。
ちょっとユダヤ人というものについても調べようと思う。
しかしそうなるとパレスチナ問題というややこしいことも調べないといけなくなるよなあ。

シャガール以上に面白かったのが浜田知明の作品、というかそれに対する作者の解説。
身も蓋もないぶっちゃけ話に好感がもてました。

それから熊本博物館へ。
自然系(動植物)の展示も多く、なかなか面白い。
4時ごろ、繁華街へ戻り、カプセルへチェックインしようとするも、5時からだといわれ、一時間本屋で立ち読み。
チェックインは許してもらえなかったが、荷物は部屋に置かせてくれたので大助かり。

チェックイン後、入浴。
個室タイプのカプセルホテルというなんかよくわからない設備(4200円)。

ゆっくり着替えてから、繁華街へ繰り出し、目をつけていた焼き鳥屋へ。
なんで焼き鳥屋なのかは別に理由はない。
店構えが綺麗で、ホテルから近くて、馬刺しもメニューにあったからというだけ。

北九州の焼き鳥屋には、メニューの一番初めに“豚バラ”が書いてある。
これは今でも納得行かないんだけど、“かしわ”(鶏肉)というメニューもある。
焼き鳥屋じゃなくて串焼き屋と名乗るべきだと思うんだけどなあ。

で、熊本の焼き鳥屋はメニューの一番目に“さくら”(馬肉)が載ってた。
馬のホルモン煮込みもある。
ただやはり食欲はなく、串焼きを6本と馬刺しで満腹。
馬刺しはやはり絶品。
関西にいた頃、何度か食べたことはあったけど(赤身もタテガミもレバ刺しも)、考えてみたら冷凍じゃないのを食べたのは初めてかもしれない。
赤身はやわらかで癖もなく、脂分がないのですんなり食べられる。
甘い醤油とも合う。
串焼きも実にあっさり。
タテガミ(毛そのものではなく、その下の脂身の塊)にも余計な味はなく、するっと食べられる。
ホルモンを食べられなかったのは残念。

ちなみに隣の焼肉屋のメニューにも馬ホルモンはあり(こちらは焼くのか?)、郷土料理の店に行くよりも、焼き鳥屋・焼肉屋に行く方がわかることもあるのかもしれない。
もちろん赤身も焼肉のメニューにあった。

店を出たものの、もう少し酒が欲しく、バーを探してさまよい歩く。
スナックやキャバクラは腐るほどあるけども、酒だけの店というのがなかなか見つからない。
15分ほど後、一軒発見。
ほんとに偶然。
店名は“キャサリン’S Bar”。
そう、熊本出身のおバカタレント・スザンヌの両親が経営する立ち飲み屋。
迷わず突入。
15人くらいで一杯になりそうなお店。
おかんのキャサリンと妹のマーガリンは東京で写真集の撮影とかで留守。
おとんのヴァンダム、スザンヌの家庭教師、女性バイト(?)の3人がいた。
お客さんは常連か観光客の両極端。
大きなテレビがあり、それでスザンヌの出てるビデオを見る。
わたしが行ったときは『ゴローズBar』が流れてた。
お父さんも常連さんも、スザンヌを暖かく見守ってるようで、感じが良かった。

途中2度ほどブレーカーが落ちたりしたものの、ジントニックとジンライムを飲んで(あわせて1000円)ホテルに戻る。
風呂に入って、野球を見ながら、これまた寝てるのか寝てないのかわからない状態に陥る。

熊本は長崎に比べて田舎。
街の規模は大きいけれども洗練されていない。
飛行機なり新幹線で東京・大阪とつながっている博多・小倉とはやはり違う。
港町として商業も発達した長崎とも違う。
でもその洗練されてなさを卑下していないというか。
意識せず独自路線を歩んでて、それが特別なことだとは思っていないというか。
おれたちはおれたちだ、という空気を感じた。
鹿児島とよく似た街という印象。




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