どこにも褒めるところはないでしょうから、「谷村美月のショートカットだけがよかった」と書こうかなと思ってたのですが。
全編ロンゲでやんの(エクステみたいですが)。
褒めるところまるでなし!
谷村美月の一人称が「ボク」なのはポイント入りそうですが、ショートカットでやってくれないと意味がありません。
胸の谷間をやたら強調しているのも、巨乳嫌いのわたしにはマイナスです。
はい、ということで映画『神様のパズル』見てきました。
ほんとにですねえ、前の記事をアップしてすぐに部屋を出て駅に向かったのですよ。
血沸き肉踊るって感じで。
もうあのワクワク感は『えびボクサー』を初日立ち見で見たとき以来でした。
余談ですが『えびボクサー』のことをコメディだと思ってる人が多すぎるので一言いわせてもらいます。
あの映画はコメディではありません。
登場人物はアル中の中年親父だったり、セックス依存症の女だったり、格好ばかり気にする情けない男といったどうしようもないクズ人間ばかりなのです。
彼らがひょんなことをきっかけに、立ち直ってより良い人生を歩んでいくという映画なのです。
いうなればヒューマンドラマとでも言うのでしょうか。
ただその立ち直りのきっかけが、一匹の巨大エビとの出会いというだけで。
電車に乗ってからもいろいろ考えました。
こんなダメとわかってる映画に金を払うべきなのだろうかと。
しかし。
いま仮に『北京原人』が映画館でやってたら、3000円でも見に行くと思うのです。
テレビ朝日が製作したこの映画、わたしが見たのはなぜか、よみうりテレビの深夜枠でしたけども、あれを劇場で見なかったことを後悔したものです。
ダメ映画も世の中には必要ではないかとも思うのです。
カウンターカルチャーですよ。
ロックンロールとしてですね、存在すべきではないかと。
そんなことを考えながらですね、見たのですよ。
はいそれでは。
以下、容赦なくネタバレします。
この映画のクライマックスは爆笑必至です。
もし興味がおありなら、先に劇場に行くことをお薦めします。
つか、わたしが書いても信用できないかもしれませんけども、実際に起こった出来事です。
このクライマックスで笑えない人は、たぶん友達になれないと思います。
では、スタート!
・オープニングの前に角川春樹の名前とロゴ。ロゴが剣と太陽をモチーフにしてあるところからポイント高し。
さすがは神様春樹様です。
・寿司屋でバイト中のロックミュージシャン志望の市原隼人は、タイに旅行に行く双子の弟から大学の代返を頼まれる。
憧れの女性白鳥さん(松本莉緒)も同じ授業をとってるからということで二つ返事で了解。
授業にでたはいいものの、物理学なんてチンプンカンプンの市原。
同じくわけがわかってなさそうだった聴講生の爺ちゃんと仲良くなる。・爺ちゃんとお茶を飲む市原。
爺ちゃんの疑問、「宇宙は創ることができるんでしょうかなあ」にあっけをとられていると、たまたま通りがかったゼミの教授石田ゆりこに弟と間違えられて声をかけられる。
「天才少女のホミズサラカをゼミに出席させて欲しい。合コンのセッティングが得意な君ならできるでしょ」・天才少女谷村美月は人工授精で生まれ、飛び級で大学に進学してきた。
彼女が理論を提唱し、設計した加速器“むげん”は世間の注目を浴びていた。この“むげん”。
直径2キロの円を2つつなげた、∞のような形をしておる巨大施設なのです。
最初に見たときは素直に感心しまして。
わたし物理学にはうといのですが、アメリカで建設予定だった超巨大加速器(東京23区がすっぽり入るくらいの円形)が予算不足からダメになったのくらいは知ってます。
加速器というのは粒子を物凄いスピードに加速してぶつけ合うための装置です。
ですんで加速するための助走路として、大きさはすごく大事になります。
円をつなげた加速器というのは、省スペース低コストで超巨大装置と同じ役目ができるのではないかと考えたのです(もちろん実現は不可能でしょうけど)。
しかし加速器をあんな風の影響もろに受けるような場所につくるんでしょうか。
アメリカのもEUのも地下に作ってるはずですが。
・ゼミに出席するよう谷村を説得する市原。
なぜか谷村の部屋には水溜りがある。
ごねてた谷村だったが、市原の「宇宙は創れるか」という一言に興味を持ち、ゼミに出席する。・ゼミに出席した谷村と市原。
宇宙は創れるかどうかでゼミのメンバー(フットボールアワー岩尾、松本莉緒、松本の今カレの院生黄川田将也ほか一名)と議論。
この一年のゼミの活動として、「宇宙は創れるかどうか」でディベートすることに石田ゆり子教授が決定。まあ、この辺まではちゃんと映画になってたのです。
市原隼人のオーバー過ぎるほどのヤンキー演技は少し不愉快で(わたしヤンキー嫌いなんで)、
画面上にボタンが急に現れて、それをクリックすると回想シーンが始まったりといったメタ映画的なというか、客を舐めてるのかと思ってしまうような不愉快な演出もありましたが。
・とりあえず宇宙がどうして生まれたかを来週発表することになった市原。
「どうせおれは寿司屋で働くロッカーだから関係ねえ」
と歌っていたところ、寿司屋が爆発。
弟と間違えて電話してきた母親の「兄ちゃんはどこにだしても恥ずかしい」的な発言もあり、猛勉強。・一方その頃、弟はインドでパスポートをなくしてさまよっていた。・谷村の部屋におしかけて宇宙物理学の基礎について尋ねる市原。
超ひも理論、M理論、ビッグバン、インフレーション……。
「ビッグバンの前になぜインフレーションが存在しているのか。無とインフレーションの違いは何か」と疑問をもつ市原に谷村はベートーベンの『運命』を例えに出す。
『運命』の始まり、いきなりのクライマックスの前には実は8分休符がある。その8分休符を聞き取ることができるのか。
云々の例えを出すが、最終的な市原の答えは、「おれは第9の方が好きだ」
「ボクもそうだ」と答える谷村。高校生が作ったのかと思う目先だけのストーリー展開、カットインが増え始めます。
超ひも理論という言葉が出れば、ヤクザだかジゴロっぽい格好(ヒモですね)をした市原の寸劇が始まり、
M理論という言葉が出れば、M字開脚したり紐で縛られたりといった。
インドのエピソードもそうで、かろうじて存在した「青春学園もの」といった流れをぶった切りまくります。
・ゼミで宇宙の誕生を説明する市原。
またもや議論する天才谷村と院生黄川田。
軍配は谷村にあがる。ゼミでの市原の説明、これもどうなんでしょうか。
おそらく宇宙物理学のことは何も知らないであろうお客さん向けの説明なんですよね、これ。
途中で教育テレビみたいな映像を強引にカットインさせたりして。
で、それはそれでいいんですけども、この市原の説明は基本的な事柄であり、ゼミに参加している人間はみんな知ってることのはずなんですけどねえ。
誰もそれには触れず。
そして院生と谷村のディベートも、なんとなく白熱した雰囲気はあるんですが、いかんせん何を言ってるのかわからないという致命的な欠陥がありますのでね。
『12人の優しい日本人』みたいな架空の事件でディベートするなら盛り上がる脚本も書きやすいのでしょうけど、こういう学術的なテーマでするのは難しいでしょう。
・アダルトサイトを立ち上げた谷村。
なんでもそれを見に来た人間のコンピューターを少しばかりお借りして、膨大なシミュレートの手助けをしてもらうつもりらしい。
そのサイトに使用する画像を市原に選べという。
で、ここで恋愛に関して谷村と市原でひと悶着。まあこういうコンピューターをちょっとお借りして、っていうのは実際に研究機関なんかがやってる話ですから。
でも別になあ、画像を集めてアダルトサイトを立ち上げて、ウイルスしかけてハッキングまでして、ってするよりは素直に正直にお願いした方が手っ取り早いと思うんですけどねえ。
2人の言い争いは単純なもので、
「お前なんて勉強ばっかりで恋愛したことねえんだろ、バーカ」
「周りにいい男がいないだけだ!」
「へ、天才は違うってのか」
「ボクは自分のことを天才だなんて一度も言ってない!」
この最後の谷村の言葉は少しばかり重要です。
彼女は天才と勝手に呼ばれてることに、そして母親が人工授精で自分を産んだことにコンプレックスをもっているようなのです。
・そうこうしてる内に、違うアダルトサイトに谷村の着替え動画(全て丸出し)がアップされる。
怒った市原は犯人の別の大学の学生をぶん殴りに行くが、小島よしおにボコボコにされる。・一方その頃、ボロボロになってインドを放浪していた弟は現地の人に楽器を教えてもらう。
ボロボロなのは服だけで、眉毛も綺麗で髭も整えてあるけども。まあ、そうなんですわ。
・小島よしおにボコボコにされた市原、谷村に呼ばれる。
宇宙ができたらどうなるか、という話になり、「内側にできてしまうと、今ある宇宙が滅びるかもしれない」と谷村に言われる。
ただ、いまのところは最後の一つの力が何なのかがわからなくて創ることができないらしい。すんません、ここうろ覚えです。
なんしかこの辺りで、「宇宙を迂闊に創ると大変なことになる」という考えてみたら明らかなことがおおっぴらになります。
たしかここで、「ひどい顔だな」「そんなの関係ねえ」というやり取りもあったのですが、お客さんは誰も気がついていなかったようです。
・田んぼでアルバイトする市原と聴講生の爺ちゃん。
田んぼの持ち主のおばちゃんの家には土偶とか埴輪とか縄文土器のコレクションがあった。
縄文土器の渦巻き模様を見た爺ちゃん、「昔の人は渦巻きに命を感じてたのかもしれません」的な発言。
それを聞いた市原、ピンとくる。どうせスタッフも見てる人も、土偶と埴輪が別物やとは知らないんでしょうね。
発掘連中と神戸の居酒屋「縄文居酒屋卑弥呼」という店に行ったときのことを思い出しました。
店に入るなり、みんなで「卑弥呼は弥生時代や!」と大合唱。
・台風が迫る中、谷村の部屋に急ぐ市原。
部屋の中の水溜りに顔をうずめる谷村。
「なんで渦巻いてんだよー!」
とドアを叩く市原。
「そうか、スパイラルか!」と最後の一つの力に気がついた谷村、シミュレートを開始。まあ細かい流れは違うかもしれませんけども、大きくは間違っていないはずです。
・ドアを蹴破って入ってきた市原、谷村と会話。
加速器“むげん”の運用開始の遅れ等で、天才谷村へのバッシングは日に日に高まっていた。
そんな状況で宇宙を創ろうとして失敗すればどうなるか。
自殺するしかないぞと心配する市原に、
「そうなったらそうなったでいい。どうせわたしは一人だ」みたいなことをいう谷村。
ここでまた「天才は違うね」と言ってしまった市原に谷村激怒。
部屋から追っ払う。・嵐の中、バイクで帰宅する市原。
一方谷村はシミュレートに成功する。さてさて。
ここからは息をもつかせぬアクションシーンの連続なのです。
今までの学園青春ものテイストは消えてしまうのです。
・大雨の中、加速器“むげん”が何者かにハッキングされてしまう。
時を同じくして関東中の電気がストップ。
発電はしているのだが、それがすべて“むげん”に集められていることがわかる。
谷村が“むげん”と発電所をハッキングして宇宙を創ろうとしているのだ。なんで物理学者ってコンピューターにアホほど詳しいんですかねえ?
コンピューター苦手な物理学者ってのは斬新なキャラでいけませんかね?
わたしがずっこけたのは、結局宇宙を創るには大量の電気が必要だったという話です。
スパイラルはどこへ行ったのか。
ヘタクソな教育テレビ風映像で散々解説された宇宙の誕生に必要な要素というのはどこへ行ったのか。
結局は、大量の電気を加速器に流し込めば宇宙が誕生する、という話になってしまいました。
そして話はいつの間にか、宇宙を創ると世界は滅びるという風にも変わります。
・石田ゆり子は雨の中、携帯で連絡を取りながら谷村を探す。
だがすべての施設はロックされ、捜索はままならない。
明らかにセックスをやり終えた後の院生黄川田と松本莉緒も“むげん”内にいたため、捜索に参加。
一方、市原はバイクで“むげん”に向かっていた。
なぜかその背中にはギターケース。・院生黄川田、たった一人で谷村がいると思しき施設に車で突撃。
ドアは破ったものの、本人は出血多量、虫の息。・“むげん”に流れ込む大量の電力。
もはやオーバーロード寸前。この“むげん”の動力部は宇宙戦艦ヤマトにそっくりです。
電気が流れ込み過ぎてバチバチいってますが、「エネルギー充填120%!」といった雰囲気で、もう一つ真剣さが足りません。
・紆余曲折ありながらも“むげん”に到着した市原。
石田ゆり子と合流し、谷村のいるだろう場所へのルートを聞き出す。
石田「西管制室に黄川田がいるわ」
市原「……宇宙、失敗、自殺」
石田「○○に行くには、そこからよ!」この辺りから大雨のせいもあり、市原が何を言ってるのか聞き取れません。
かろうじて聞き取れたのが「宇宙、失敗、自殺」なのですが、会話は噛み合っていません。
・血まみれの黄川田を見つけた市原。
座り込んだまま動かなくなった黄川田をおいて、市原は再び屋外へ。
唯一のルートであるハシゴを上り始める。ギターケースを背に。・十数メートル上ったところで、市原はなぜか飛び降りる。ここから大爆笑のクライマックスです。
うまく伝えられるといいのですが。
・谷村は果たして予想通りの部屋にいた。
大量のコードをノートパソコンにつなぎ、作業を進める谷村。
と、突如コンクリートの天井を破り、市原が飛び降りてきた!どういう強度で作られた施設なのか。
・見事着地を決めた市原隼人。
すでにギターケースから自慢のエレキギターは取り出してある。
ヘッドホンを耳に当て、すでに立ててあったマイクを手に取り、市原は歌いだす。
「♪晴れたる青空 ただよう雲よ」
『第9』だ!ハシゴから飛び降りた時点ではギターはケースに入ってました。
それからコンクリートをぶち破るまでに、ケースから取り出し、ヘッドホンをはめたのでしょう。
しかしわからないのはすでに立ててあったマイクです。
誰が何のために用意していたのか?
谷村がやったのではないことは明らかです。
というのも、突如数メートル先に現れた男に『第9』を歌われた彼女がどうしたかというと、
・谷村、泣きながら扉を開け、逃げ出す。
“むげん”の暴走は止まった。ああ、やっぱり怖かったんだ。
・大嵐の中、キャットウォークを泣きながら逃げる谷村。
それを追う市原。
飛び降りて命を絶とうとする谷村に市原は叫ぶ。
「俺の寿司を食え!」
手にはタッパー。
蓋を開けるとその中には、あのアインシュタインも食べたというコハダとエビの握りがあった。
「寿司を食え〜!」
コハダを手に、びしょぬれになりながら谷村に迫る市原。アインシュタインが寿司を食ったという逸話は前に出てきておりまして。
それはそれでいいんですが、一つ気になるのは寿司ネタをどこから仕入れてきたのかということです。
寿司屋は爆発しており、まだ再開はしていないのです。
まあ、とりあえずそんなことは些細なことです。
・大雨でグズグズになりながら、グズグズのコハダを食べた谷村、市原と仲直り。半分以上脅迫ではないかと思いますけども、まあこの2人に関してはこれでよかったんでしょう。
以下は後日(?)談。
・一方その頃、黄川田は“むげん”内で首をつって死んでいた。
なんでも谷村の盗撮画像流出に一枚噛んでたようだ。・物凄く大きな罪に問われそうな谷村だったが、それはよくわからないそうな。・物凄く大きな責任を追及されそうな“むげん”の管理者たちだったが、謝罪会見に突如乱入して、
「うちの娘を許してやってください!」
と絶叫を続けた谷村美月の母・若村麻由美のおかげで首は飛ばなくてすんだそうな。・で、その謝罪会見でマスコミ相手に大立ち回りを演じた市原隼人はしばらく臭い飯を食ったようだ。
・インドから帰国した市原弟は松本莉緒と仲良くやっているようだ。
恋人が首をくくってすぐなのにね。
・出所した市原は再建された寿司屋で板前修業の日々。
そこに谷村美月がやってきて終了。はい、そんな感じでですね。
ラストのカオスっぷりはさすがに物理学を題材にした映画だけのことはあります。
わたし以外のお客さんは女子中高生あたりが多かったですね。
あ、市原隼人が『第9』を歌いだしたあたりで帰っていった中年女性もいました。
女子学生は序盤の市原隼人の演技でもキャッキャと笑っておりまして。
ああ、ああいう子らは何を見ても面白いんだろうなあと思いましたね。
エンドロール後に彼女らは、
「あー、むっちゃ頭使った映画やった!」
と満足げでした。
頭を使った内容と映画のストーリーがまったく噛みあっていないこと、
頭を使ったのが無駄だったことに気がつくと、彼女たちも一つ大人に近づくことになるのでしょう。
そうならない方がいいかもしれませんけども。
あ、パンフレットはもちろん購入済みですよ。
「まどぎわ通信」さん私も大変参考にさせて頂いてます
けけさんは「僕の彼女〜」是非見に行くべきですよ!うふふ。