ということで前回に続き、すっかり狼少年と化した感のあるKANの弾き語りコンサートネタバレです。
勘違い・記憶違いがあってもご容赦を。
aikoさんのコンサートが終わってから。
師匠は札幌のパフュームのコンサートに行ったのです。
話はそこからですね。
「パフュームのあーちゃん、ですね。彼女がaikoさんの大ファンなんです。
まさか、ぼくのコンサートに来る人でパフュームの誰が誰かわからないなんて人はいないでしょうね!」
急に説教入りました。
突然師匠が立ち上がり、両手を胸に当てます(右手を右胸に)。
んで上目遣いに目を妙にパチクリさして、
「これがあーちゃんでしょ」
続いて手の甲を腰に当て、少し斜めにモデル立ち。
「これがのっち」
最後に無表情でボーっと突っ立って、
「これがかしゆか」
「ぼくは本当に音楽的にパフュームさんの大ファンで、
……音楽的に大ファンって、ものすごくある意味失礼かもしれませんね」
んでその見に行った札幌公演であーちゃんがaikoさんのマネをしてコール&レスポンスをやったと。
で、最初はバラバラだったレスポンスも、あーちゃんに引っ張られる形で後半はやけに盛り上がったと。
「パフュームのみなさんって、みんな20か21なんですよ。
そのこたちができることが、ね、20年以上音楽活動やってるぼくにできなくてどうするか。
しかもバンドならまだしも、弾き語りでやることに意味があると思うんですよ」
ここから話がわけのわからないほうへ。
「だってみんな酔っ払ったらケツを出すでしょ?
でもね、酔ってケツを出すのは普通なんですよ。
ぼくならね、乾杯前からベルトとボタンを外しておいてですよ、それで固い挨拶をして、
『いやあ、音楽という名の列車に乗り、旅を続けてますが……やっぱりぼくは、人間が好きなんだなあ……乾杯!』
で、ズルーッですよ!」
何となくわかりますけどね。
ということで、前代未聞(?)弾き語りでのコール&レスポンスがどうなったかというと。
「男子!」
『ハイ!』
「女子!」
『ハイ!』
「メガネ!」
『ハイ!』
「コンタクト!」
『ハイ!』
「裸眼!」
『ハイ!』
「山笠があるけん!」
『博多たい!』
しかしトークはこれで終わらず。
「で、この新曲がですね、歌詞が出来上がったら“みんなで歌う歌”になってしまったんですね。
ぼくねえ、歌の前にみんなで歌うところを練習したりするのが大嫌いなんですけど、
この曲の凄いところは、みなさんが歌うべきところに来る頃には、メロディラインがしっかり耳に入っているということです。
イヤなのはわかってますけども、みんなで歌ってください。
ただまあ、弾き語りなんで、『2階ー!』とか『聞かせてー!』とかできませんから。
今のでウォーミングアッペはすんでますからね。
みなさんが静かだったら盛り下がったまま終わって、ニューアルバムにも収録されないという悲惨な事態になりますんで、気を使ってください」
苦笑する観客に追い討ちをかけるように、新曲のタイトル発表。
「それでは聞いてください、新曲です……『よければ一緒に』」
どわっはっはっは。
「いや、ほんとだって」
という長いトークの末、すったもんだで新曲終了。
今回の曲目で特筆すべきはやはり『愛は勝つ』でしょう。
何回か前のばったりで初めて、KANの中では“色んな楽器がガチャガチャ鳴ってる”『まゆみ』を演奏したのと同じような転機になったのではないかと思います。
小林武史さんのアレンジの影響なのか、アンジェラ・アキさんが弾き語りでやったからか、わかりませんが、KANの中で長い間“コーラスが非常に重要”な歌だった『愛は勝つ』を一人でやりきったことに、彼自身の成長、発想の転換といったものがあると思います。
あわせて最近のバンドライブ『じゃあ、スイスの首都は?』での『愛は勝つ』のコーラスも録音に頼らず生だけでやったことも考える必要があるでしょう。
(元々『愛は勝つ』のコーラスは非常に難しく、CDに収録されたコーラス二人はそのあまりの複雑さに当初予定していたギャラの倍額を要求し、スターダストレビューのライブに飛び入りしたときはスタレビ全員で担当してもみな必至だったという。これまでもKANのライブでは前もって録音していたコーラスを重ねていた)
この曲をピアノ一本、自分ひとりでやり通したことは彼の技術・自信の向上であり、『弾き語りばったり』開始の目的、“ピアノ一本でワンステージできなきゃアーティストじゃないやい”というものに大きく近づいたものだと思う。
ピアノ・ロック『愛は勝つ』はともすれば単調にならざるを得ない弾き語りコンサートに変化をつける楽曲になるのだから。
もちろん一曲じゃ足りないけれど。
でもなあ。
『秋多摩』『テレジア』も聞きたいんですけどねえ。無理っすかねえ。
そして今回も2段階でお別れ。
軽いイリュージョンの後、最近亡くなったマイケル・ジャクソンの話へ。
「平井堅さんの『堅ズバー!』に行ったときに」
違う違う、という声に、
「え? あ、切るとこが違うの?
あれ、福岡ではどこでやったんですか?」
ぜっぷー、と誰かが叫びます。
「え? 別府? あ、別府だったんだ。福岡じゃないんですね。
別府といえばあれですね、ぼくが初めて曲を作った場所ですね、
♪血の池地獄、血の池地獄、そーこーに落ちたら、おばけになるよ♪
ってこれ、♪どーどーどらえもんー、の影響を受けてますね」
噂にはきいていた『血の池地獄』を生で聞いて感動のあまり大笑いするわたくし。
「で、平井堅さんはマイケル・ジャクソンの『Black Or White』をカバーして。
♪スナックのおばちゃーん! スナックのおばちゃーん!♪
って曲です。
途中ラップも入るんですけど、それも平井堅さんは自分でやってて、ムチャクチャ格好良かったんですけどね……ただズボンの丈が少し短すぎたかなあ」
「それからトライセラトップスさん。
この和田くんが『Human Nature』を歌ってました。
『Human Nature』っていうのは、
♪why、why、てれってってってー、why、why、だらだっだっだー♪
って曲です」
「で、そのトライセラトップスさんの楽屋に行ったときに相談したんです。
そうしたら『いやあ、KANさんだったら『Thriller』でしょうって言われて……』」
そして口元から何かを垂らす振りをする師匠。
無理矢理『スリラー』開始!
♪デンデンデンデッデン♪
とピアノと足踏みでイントロはこなすもののあえなく中断。
「踊らないといけないですからねえ」
大阪のときは『Beat It』って言ってましたけどね。
しかし弾き語りばったりも後半の方がネタが増えるもんです。
以前見た『We Are The World』の録音風景(空想)のモノマネも爆笑ものでした。
(好き勝手歌うレイ・チャールズと弱気なマイケル)
「それで何にしようかと思って決めたのが、またみんなで歌う歌になりまして」
えーっ。
「いやそれでみんなで歌えるように簡単に訳してみたんですよ、
♪治そう、世界を
(中略)
人が、死んでるんだよ♪
気持ち悪いでしょ?
だから聞いておいてください」
ということで『Heal The World』を一人で歌い終わる師匠。
終了後。
「本当ならここでムーンウォークで退場すればベストの終わり方なんですけど、いくら練習してもできないんで止めます。
ということで閉めの一曲、新曲『Bye,Bye,Bye』」
エーッ!!
「久しぶりの地元ソング!……ではありませんけど、なんで新曲というとどよめくんですか。
……今後の活動ですけども、11月からレコーディングに入り、年度内にはニューアルバムが出せればと思います。
ただまあ、みなさんお分かりだとは思いますが、歌詞が。
でライブの後の打ち上げを、
『いや、今日は歌詞があるんで』
って断るのもロックンローラーとしてどうかと」
やっぱり『Rock'n Soul In Yellow』が大好きなんですね。
「それから来年は記念すべきデビュー23周年、素数です!」
割れんばかりの大拍手!
「ありがとうございます。
そういう記念すべき年なんで、なんらかの起伏をもたせようと思います。
これからも誰にも真似できないような、
誰からも『あいつの真似だけはしたくない』といわれるような音楽性を追求したいと思ってます」
そうです。
そういうところが大好きなんです。
だから、あなたは好き勝手にやってください。
ついていきますからね。
そして悲しい悲しい新曲を聞いた後はみんなじっとして場内放送に耳を集中します。
「これで本日の『KAN弾き語りばったり 〜信じる、信じない〜』はすべて終了しました」
の声を聞いてみな一斉に動き始めます。
って今気がついたけど、まさかニューアルバム発売を信じるかどうかとかやないっすよね、師匠?